新宿ミロード 飲食フロア刷新でファッションにも成果

2019/02/05 06:30 更新


 小田急電鉄が新宿駅南口で運営する新宿ミロード(地上1~9階)は昨年7月13日に全面改装が完了した7~9階飲食フロアが寄与し、同日以降、全館の客数、売り上げともに前年実績を上回っている。狙い通り、館の中心客層である若い女性客の需要を取り込み、「ファッションとの相乗効果も出ている」(高岩法子所長)。レディスファッションを主体とした春の改装と飲食店を軸にした販促強化策で、弾みを付ける。

(有井学)

 7~9階は他フロアのファッション・雑貨店との回遊を高めるため、「女性受けする」店舗を積極導入。既存店も女性客を意識したメニューを充実した。共用部も刷新した。

 同ゾーンの7月13日以降の売り上げは前年比約10%増で、当初計画も2~3%上回っている。19年3月期の同ゾーンの売上高は「過去最高だった16年度を更新できる」ペースだ。中でも、台湾カフェ「サオ・ドゥ・ファ」、米サンフランシスコの人気ラーメン店「メンショー・サンフランシスコ」、サザビーリーグが運営するビアカフェ「アイビアー・ルサンパーム」、カフェダイニング「カフェハドソン」が好調だ。

 同ゾーンは全館売上高の約2割を占めるだけに、全館への波及効果が大きい。7月13日以降の全館の入館客数は前年比5%増ペース。全館売上高も微減だった10月を除き、12月までの全ての月で前年実績を上回った。昨年8月に「ミスティック」を改装、「シーミー・バイ・ナイスクラップ」を導入するなどレディスファッションの活性化策も進め、11月に期間限定でカフェ「魔法ワールドカフェ」を入れた成果もあった。

昨年8月に導入し好調な「シーミー・バイ・ナイスクラップ」

 今春は今月中旬から3月1日までにレディスファッションを主体に5区画を刷新する。5階でレディス3区画を改装する。今月15日に「アンドエルシー」を導入し、「アウトロソル」を2階から移転、23日に「RNAメディア」を改装する。27日には路面ゾーンの「モザイク通り」にコスメ「オハナ・マハロ」を導入、3月1日に3階のレディス「ハウピア」を拡大・改装する。

 オハナ・マハロはハンドクリームやフレグランスが主力で、全て国産。直営店の出店は初めてとなる。同区画は主に訪日外国人客の取り込みを狙い、今後1年間はメイド・イン・ジャパン、クラフトマンシップをテーマにした期間限定店区画にする。

 改装と合わせ、今月15日から3月31日まで7~9階以外を含む飲食店の特典サービスを受けられる「グルメパス」を近隣のオフィスと学校に配布、期間中に連動したファッションイベントも実施する。「顧客拡大と回遊向上」を目指す。



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