SHIBUYA109ラボで15~24歳の女性507人を対象に実施した調査で、「ぬい活」の経験者が8割以上という結果となりました。「ぬい活」とは「ぬいぐるみ活動」の略で、ぬいぐるみを推し活やファッションの一環で楽しむことを指します。「ぬい」という言葉は17年ごろから、一部の推し活で使われていた言葉ですが、現在は多くの若者の間で使われる言葉になっています。
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ファッションの一環
私たちが毎月実施している、SHIBUYA109渋谷での館内ヒアリングでは、23年の後半ごろからぬいぐるみをバッグにつけて楽しんでいる若者が徐々に増えていることを観測していました。「SHIBUYA109lab.トレンド予測2024」ではファッション・コスメ部門に「バッグにぬい」がランクインし、ファッションの一環として楽しむぬいへの注目が顕在化しました。
24年は実際に「エスターバニー」などを中心にキャラクターコンテンツが多数トレンドに上がっていたこともあり、バッグにぬいを楽しむ若者が増加。「SHIBUYA109lab.トレンド予測2025」にもモノ・コト部門にて「ぬい活」がランクインしており、今後さらに盛り上がることが予想されます。
「ふり向き界隈」も
若者にとって「ぬい」は様々な役割があります。例えば、自分が好きなものを直接主張するのではなく、ぬいを持つことによって間接的に共有し、コミュニケーションを生むきっかけにしていたり、自分の顔が写っている写真や動画をSNSに投稿することに抵抗がある人が代わりにぬいを映していたり。
周囲との調和を重視するためにぬいが周囲とのコミュニケーションの緩衝材としての役割を持つこともあります。また、7割が「お守りを所持しているような感覚である」と回答していたり、インタビューでは「ぬいは自分の分身」「何かを頑張るときに寄り添ってくれる存在」という声もあるなど、自分の心の支えにしている様子もうかがえます。
楽しまれているぬいにはいくつか種類があり、推しの人をぬいにした〝推しぬい〟、キャラクターもののぬいである〝キャラぬい〟、雑貨・アパレル店やカプセルトイなどでも多く売られている〝名前のないぬい〟の3種類があり、遊びに行く場所や洋服、一緒に遊ぶ友達に合わせて、連れて行くぬい」を選定しています。
お出かけ先で連れて行ったぬいを振り向かせる動画を撮影する「ふり向き界隈(かいわい)」もトレンドに入っているなど、Z世代の間でお出かけにぬいを連れて行くことが当たり前になっていることから、企業のプロモ―ションや体験設計でもぬい活を楽しめるブースを設置するなど、若者へのアプローチ方法としても有効なのではないでしょうか。
