17企業とNPO6団体 緊急災害時の連携組織を設立

2017/09/04 04:25 更新


 日本国内での大規模自然災害発生時に、物資やサービスを持つ民間企業と、現場で活動するNPO(非営利組織)が連携しながら、ワンストップで支援を提供する緊急災害対応アライアンス「SEMA」(シーマ)が発足した。加盟する民間企業は17社、NPOは6団体。今後、加盟企業・団体を広く募り、輪を広げていく。

(壁田知佳子)

 設立の目的は、災害が社会や被災者に与えるインパクトを最小限に食い止め、早期復興を促すこと。平時に加盟企業・団体が持つ物資・サービスをリストとして集約しておき、災害発生時には必要な物資・サービスをパッケージ化して被災地に届ける。国や自治体とも連携する。

 災害発生時には東京・紀尾井町にあるヤフー本社内に対策本部を立ち上げ、被災地で活動するNPOの情報をもとに必要な物資・サービスを加盟各社に打診して集める。物資はワンパッケージ化して加盟する物流会社などが輸送、NPOが被災者に届けるという仕組み。避難所に入っていないなど、公的支援の届かない被災者も対象とする。支援活動期間は、仮設へ移住するまでを想定している。

 発起人の1人であるヤフーの川邊健太郎副社長執行役員最高執行責任者は、「日本は世界的に見ても災害発生のリスクが高いことに加え、高齢化や人口偏重、高い生活水準といった日本独自の新たな課題も生まれている。そのため、NPOと企業、政府が連携しながら対応する必要がある」と、アライアンス設立の趣旨を説明した。この規模での災害対策のアライアンスは国内初という。

 ファッションビジネス業界ではグンゼ(提供予定物資は肌着、ソックス、弾性ストッキングなど)、スノーピーク(テント、シェルター、マットなどアウトドア用品)などが加盟している。

 その他の加盟企業(50音順)はアスクル、FSX、オイシックスドット大地、キリン、サラヤ、JGマーケティング、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ、スターフェスティバル、西濃運輸、西武プロパティーズ、ソフトバンク、ハート引越センター、ファミリーマート、三井化学、ヤフー、NPOはアジアパシフィックアライアンス・ジャパン、ADRAジャパン、災害人道医療支援会、シビックフォース、ピースウィンズ・ジャパン、被災地NGO協働センター。

8月31日に加盟企業・団体が出席し、設立会見が開かれた
SEMAの概要図





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