世界のテキスタイル生産において近年、インクジェットプリントは急速に普及しつつあるが、セーレンの「ビスコテックス」は単なるプリント技術とは異なる進化の道を歩み、さらに先を目指す。初期から理想として掲げたオンデマンド生産は、コロナ禍も呼び水となってアパレル産業が転換期に差し掛かり、ようやくチャンスが広がり始めた。
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技術を応用し新価値
版を用いるスクリーンプリントでは、色の数だけ製版が必要で色数にも限界があり、デザインも制約を受けた。インクジェットプリントのビスコテックスにはその縛りがないが、既成概念を取り払うのは容易ではなかった。その中でスポーツアパレルは、ビビッドな色やデザインが90年前後から支持されたスキーウェアや水着でこれをいち早く理解し、活用してくれた先だ。