フードリボンとシーアイランドクラブ 沖縄で海島綿を試験栽培

2022/06/17 06:27 更新


 カリブの宝石を沖縄で――フードリボン(沖縄県大宜味村)とシーアイランドクラブ(東京)は、沖縄県北部の大宜味村と東村でシーアイランドコットン(海島綿)の試験栽培を開始した。海島綿は世界でカリブ海地域と米国でしか商業栽培されておらず、今回の試験栽培が成功すれば、沖縄が3カ所目となる可能性が開ける。

 海島綿はカリブ海に浮かぶ西印度諸島原産で、超長綿の最高峰といわれる品種。絹のような光沢、カシミヤのような肌触りから繊維の宝石との愛称も持つ。栽培が難しく、カリブ海地域でしか産出されない状況が長く続いてきたが、17年に米エルパソで商業栽培が復活し「アメリカン・シーアイランドコットン」として販売している。

 今回の試験栽培は、昨年世界自然遺産に登録された沖縄本島北部「やんばる」地域で、県が支援する住民参加型プロジェクトの一環。同プロジェクトでは他に、シークワーサーやパイナップルといった特産品の栽培体験が計画されている。海島綿の種子および栽培を管理するシーアイランドクラブが、フードリボンと試験栽培における契約を結び、西印度諸島海島綿協会の承認を得て決定した。

 シーアイランドクラブによると沖縄の気温、日照などは栽培に十分適しているが、台風の影響を確かめる必要があるという。今回の取り組みを通じ「日本の消費者の方々に海島綿をより身近に感じてもらうとともにその認知度が上がることを期待している」とする。

 現在は順調に枝葉が広がり、6月17日に現地で行う発表会で畑を披露する。

 フードリボンは、地域資源を活用した製品の企画・開発に取り組んでおり、最近ではパイナップル収穫後の葉から繊維を取り出す事業を始めた。



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