三陽商会は6月21日、客から回収した衣料品の再販売を東京・新宿の「サンヨーG&Bアウトレット落合店」で開始した。下期には同業態の用賀店、潮見店でも販売する予定。開始から2年はトライアル期間と位置づけて検証を重ね、3年目以降に事業の拡大を計画する。
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23年3月に重要課題として公表した「サーキュラーエコノミーへの取り組み」の一環。回収した衣料品を自社の独自基準で仕分け、クリーニングしたうえで販売する。販売不可判定のアイテムは循環商社のエコミット(鹿児島)に引き渡し、リサイクル、リユースを行う。
環境配慮に加え、顧客来店促進も目的の一つ。回収品1点につき、「サンヨー・メンバーシップポイント」を500ポイント付与し、新品購入のきっかけにする。加えて、若年層やインバウンドなど潜在顧客の掘り起こしにもつなげる。
販売するのはライセンス契約が終了したブランド以外。価格は、ブラウスなどのトップが2000~4000円、ボトムスが4000円、アウターが7000~9000円。2年のトライアル期間で適切な価格設定を見極める。
松尾峰秀専務執行役員兼経営統轄本部長兼マーケティング&デジタル戦略本部長は「初年度に5万点を回収し、黒字化も目指す。将来は収益を支える事業の一つに育成したい」とコメントした。