スタジオアタオ、“回遊型モデル”で成長

2016/12/01 06:29 更新


 11月29日に東証マザーズに新規上場したバッグ製造小売り、スタジオアタオ(神戸市)はO2O(ネットと実店舗の相互送客)戦略を継続し、成長を維持する。既存ブランドはブラッシュアップを続け、キャラクタービジネスの展開も視野に入れる。EC売り上げはさらに伸ばす計画だ。

 ビジネスモデルの核となるのが独自の「回遊型売り上げ拡大モデル」。常設店舗や期間限定店のリアルで仕掛け、接点を持った顧客をネットへ誘導し購買につなげる。

 特にSNS(交流サイト)は顧客創造の場として重視している。販売スタッフは原則正社員のみとし、商品名企画、SNSなど他の業務にも関る。顧客を大切にするため、セールをしないのも重要なポイントとする。

 主力ブランド「アタオ」は成長途上にあるとして、店舗とネットのO2Oを加速、EC売り上げ比率を高める。アタオより一格上の「イアンヌ」は着実に店舗を増やすとともに、SNS、ブログでの発信を強め、ネット販促費の投資を拡大する。

 今年立ち上げた「ロベルタ・ディ・カメリーノ」のオリジナルラインは東京・有楽町の本店、公式ECによるO2O戦略を始める。今秋立ち上げ、キャラクタービジネスへの参入と位置づけるプレミアムエコバッグ「イルメール」でも、公式ECと期間限定店でのO2Oを開始。低原価率、高回転のビジネスモデル確立を目指す。

 当面の出店は来年3月、東京・マロニエゲート銀座にイアンヌを予定している。18年2月から19年9月にかけて4店を新設する。EC売上比率は16年2月期で既に51・2%と高い。ECの粗利益率も62・8%と店舗と変わらない水準にある。

 今後イルメールの売り上げ拡大などさらにEC比率は高まると見ている。17年2月期の業績予想は、売上高が27億3100万円(前年同期比40・4%増)、営業利益4億5700万円(86・5%増)。

 

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5月にオープンした「ロベルタ・ディ・カメリーノ」本店


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