【ミラノ=高橋恵通信員】リシュモン(ジュネーブ)は、高級靴「ジャンヴィト・ロッシ」のジャンヴィト・ロッシ(ミラノ)の株式の過半数を非公開で取得し、経営権を獲得した。創業者のジャンヴィト・ロッシCEO(最高経営責任者)兼クリエイティブディレクターは引き続き株式を保有、両者のパートナーシップで発展に取り組む。
リシュモンのフィリップ・フォルトゥナートファッション&アクセサリー・メゾンCEOは、「ジャンヴィト・ロッシは靴作りで独自のノウハウを持つ特別なブランド。妥協のない品質、エレガンス、タイムレスな製品。その特徴はリシュモンの価値観と完全に一致している」とする。「ジャンヴィト・ロッシと彼の家族、チームを迎えることを喜ばしく思い、この類いまれなメゾンの永続的な創造性と長期的な発展を共同で確かなものにしていきたい」と強調した。
ジャンヴィト・ロッシCEOは「リシュモンは、品質、デザイン、クラフツマンシップへの最大のこだわり、何世代にもわたって受け継がれてきた伝統の保護といった共通の価値観を持つパートナー。このパートナーシップは次のステップに進むために有益なもの」とする。
ジャンヴィト・ロッシは06年、靴の代表的な産地の一つサン・マウロ・パスコリで創業した。父親のセルジオ・ロッシ氏は「セルジオ・ロッシ」創業者で、ジャンヴィトCEOは、彼から靴作りを学んだ。同社の22年の売上高は約9900万ユーロ。
リシュモンは、今回の取引は「24年3月期連結決算に重大な影響は与えない」とする。ジャンヴィト・ロッシの業績は今後、グループのファッション&アクセサリーで構成する「その他事業」に計上される予定。