レナウンの百貨店向け冬物商戦 年明け防寒コート動く

2019/01/28 06:30 更新


 レナウンは百貨店向けレディスブランドの18~19年冬物商戦で、コートなどの重衣料が厳しく、高価格帯商品が苦戦した。一方、カットソートップは堅調な販売が目立つ。年明け以降のセールは気温の低下に伴いダウンコートが売れ筋となった。

【関連記事】レディスコート商戦、足踏み 実需購買と暖冬響く

中間アウターが健闘

 キャリアミセス向けのカジュアルゾーンを主力とする「エンスウィート」は12月10日以降からダウンを中心としたコートの売り上げが伸びて「この時点でコートの売り上げが前年に追いついた」。定番品のウール100%ハイゲージニットトップは「暖冬の影響で今シーズンは人気がなかった」が、カットソートップが12月、前年同月比5%増の売り上げを確保し、「ニットの需要が一部カットソーに流れた」とみている。

 一方、コーディガンなどの中間アウターやインナーダウンが健闘した。消費者がセール待ちとなる12月に戦略商品として店頭投入した、腰丈くらいまでのゆったりとしたシルエットのトッパーコートとプルオーバーがセットになったメランジュニットアンサンブル(1万8000円)やドッキングジャカードカットソートップ(1万3000円)が売れ筋となった。

12月に入ってダウンコートの販売が伸びた「エンスウィート」

 ミセス向けカジュアルゾーンの「シンプルライフ」は12月、中わた、ウール、ダウンなどコート全般が苦戦した。ニットアイテムは、ハイゲージのベーシックニットは販売を伸ばしたが、起毛や膨らみのあるトップは振るわなかった。カットソーアイテムは、ハイネックシリーズ(7000円~1万円)が好調で前年同月比9%増となった。「単価の高い物が総じて厳しい。消費者の価格にシビアな様子を顕著に感じる」としている。

 プレタゾーンの「アクアスキュータム」は12月、ウールコートが苦戦、ダウンコートは前年並みの状況だった。「コートはふり客の来店に左右される部分が多い。集客が売り上げに顕著に反映した」とみている。カシミヤニットトップなど高価格帯商品も厳しかった。「11月頃から高価格帯の商品が軒並み低調に推移している。暖冬の要因もあるが、高額商品への出費を控える傾向も強くなっている」とみている。

気温低下が引き金

 年明けのセールのスタート当初は、各ブランドともコートを中心に変化が表れた。

 エンスウィートは「気温の低下が引き金となって、アウターを目的に来店、購買する動きが活発化した」としてダウンコートが売れ筋として浮上。特に東日本を中心に前年を上回る勢いとなっている。

 シンプルライフは2~3日は売上高が前年比26%増と好スタートを切ったが「その後の土日で勢いが減少」。1月はダウンコートを中心とした防寒アウターの動きが目立つ。

 アクアスキュータムは年明けからウールやダウンなどのコート販売が伸びたことで1週目は売り上げが前年を上回った。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事