スウェーデンのリサイクル素材ベンチャー、リニューセル(ストックホルム)が経営破綻した。綿などの古着をパルプにした「サーキュロース」を製造し、ザラ、H&M、リーバイスなどと協業を進めていた。
2月27日にストックホルム地裁に破産申請し、決定した。同社は12年にスウェーデン王立工科大学のイノベーターによって設立され、20年には同国ナスダック市場にも上場している。
綿の古着や端材を溶解パルプに再生する特許技術を持ち、同国に開設した工場で溶解パルプのサーキュロースを製造していた。サーキュロースはレーヨンをはじめとする再生セルロース繊維やアセテート繊維の原料として使用できる。
22年12月にはレンチングと5年間で8万~10万トンのサーキュロースを供給する契約を結んだ。日本のダイワボウ、米イーストマンなどとも、原料供給で提携していた。
一方、今年1月に人員削減を含むリストラ案を発表するなど、経営状態は厳しかったとみられる。2月には23年度決算の報告を2度にわたって延期していた。