【私たちはこんな人と働きたい】日本繊維製品品質技術センター 安心安全を陰から支える

2024/03/15 00:00 更新


沼田秀樹さん(左)と駿河星奈さん

 社員は会社の顔ともいえる。社員の人柄が企業の魅力になり、企業理念に共感して集まった社員が新たな息吹をもたらす。まさに〝人財〟だ。人柄や自社に合った素質を重視する採用が増えている。

求める「意志力、対応力、実行力」

 日本繊維製品品質技術センター(キューテック)は、アパレルや生活用品、産業資材の総合試験・検査機関だ。商品の販売元、製造元が不良品を提供しないよう、公正中立な立場で試験を行う。私たちの安心安全を守っているといっても過言ではない。一見、堅苦しくも聞こえるが、「陰から支えたい」といった「心根の優しい人」が多く在籍する。新卒社員も毎年3、4人を目安に採用している。気になる仕事内容や求める人材を、総務経理部総務人事課課長の沼田秀樹さん、総務経理部総務人事課の駿河星奈さんに聞いた。

不良品を未然に防ぐ

 ――事業内容は。

 主に、日本で販売される商品の品質検査です。衣料品などが消費されたときに、どのような現象が起きるか。着用して動いたときに生地が滑ったり、毛玉ができたり。洗濯したときに縮んだり、色が移ったり。お客様がそれを見たときに不良品だと思わないように、その現象を再現するようなことを起こして未然に防ぎます。

 昨今は商品を販売・製造されている先が自身で試験をしても、なかなか信用されないことがあります。そのような中で、私たちのような第三者機関が公正中立な立場で試験をし、正しい結果を提供します。

 ――仕事内容は。

 管理部門のほか、生産業務、試験業務に関わる部署などがあります。役割がかなり分かれていて、薬品を使って試験する人、お客様に結果を報告するための書類作成をする人などがいます。試験自体も繊維の種類や商品、微生物、産業資材などによって異なります。

ほとんどが未経験から習得。薬品を用いることもあり、白衣を着用して業務に取り組む職員も

幅広い世代が活躍

 ――社風は。

 雰囲気を一言でいえば優しい。のんびりがベースにあります。今は一般財団法人ですが、13年前までは財団法人でした。利益を求めるというよりは、お客様のためにという点が強い。これがずっと根付いています。

 人員構成は正職員よりもパートタイマーが多いです。単純作業を同時に行わなければいけないこともあり、手数が必要だからです。パートタイマーは幅広く、年齢でいうと20代から70代まで。主婦もいます。正職員とは業務や役割をすみ分けています。

 ――新卒採用は。

 一人ひとりの個性を重要視し、積極的に行っています。新卒ではまず試験現場に配属されることが多いです。現場のことを知った後に、ジョブローテーションや海外赴任があります。異動時期は明確には決まっていませんが、基本方針として3~5年くらいがいいと考えています。

 強みとしては、教育に力を入れています。初年度の4月に1カ月間、いろいろな現場を回ったり、ビジネスマナーを学ぶ研修があります。その後、配属になりますが、週に1度、ウェブで研修を行っています。

 ――求める人物像は。

 意志力、対応力、実行力の三つがテーマです。そういった要素が一つでもある方や、チャレンジ精神がある方を採用したいです。

 あとはこの仕事上、他社と差別化がしづらいところがあります。難しい試験でキューテックにしかできないこともありますが、変な話、出てくる結果はどこも同じじゃなければいけない。他に何でアピールするかというと、やはり職員の人間性です。

 お客様に親身になって寄り添うところは、長所だと思っています。理事長の山中毅がよく言うんです。「心根の優しい人でいてください」と。将来そういう人材になり得るというのも大事な要素ですね。

 ――駿河さんは新卒で入社して3年目。例外的に総務人事課に配属されたが、面接をして感じたことは。

 安心安全を守ることに関わっている、社会貢献度が高い仕事という点に興味を持たれて来る方が結構な割合でいます。「陰から支えたい」といった人が多いのが特徴です。

  • 事業内容:試験業務、検査業務、サポート業務、認証業務、認証マーク対応試験、オリジナル商品の開発・販売
  • 拠点:国内7(東京、名古屋、大阪など)、海外8(中国5、韓国、バングラデシュ、ベトナム)

(繊研新聞本紙24年3月15日付)

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