楽天ファッション・ウィーク東京20年春夏 素材、パターンで環境配慮伝える

2019/10/24 11:00 更新


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 環境配慮の意識が高まるなかで、クリエイションを通じてサステイナブル(持続可能な)形を見つけ出そうとするブランドは多い。パターンの数をなるべく増やさずに作る工夫や、素材の選び方も問われている。

(写真=加茂ヒロユキ、リトはブランド提供)

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 リト(嶋川美也子)はチャペル風の空間でインスタレーションを行い、女性の内面の美しさをイメージするピュアなドレススタイルを見せた。目を引くのは、シンプルに見えて、体に付かず離れずの緩やかなラインを描くパターンと上質なテクスチャー。白の透けるストライプのシャツドレスはサイドスリットが入り、腰の脇をつまんで前身頃をサイドに流す。

 艶やかなサテンのカシュクールドレスは片側がパプスリーブで、もう一方は肩に沿わせた生地をストレートに落とし、自然なドレープを生かす。「素材にこだわって自然回帰を表現していきたい」と嶋川。空気をはらんでしなやかに動くガーゼ調のウールのジャケットなど、天然繊維の持つ力を引き出している。

リト

 直線裁ちのパターンなどでエココンシャスを掲げるショーヘイ(リサ・ペック)は、モノトーンにタイダイを差し入れ、クリーンなモードスタイルを見せた。爽やかなグリーン、ブルーのタイダイを、白シャツの片側の前身頃、袖から胸元を横切るラインで切り替え、直線を生かしてコンテンポラリーに寄せる。

 アシンメトリーなカットのデニムの巻きスカートの下にはタイダイのスポーティーなタイツ。シンプルなパターンにはめ込むセンス、クラフト要素をシャープに見せるスタイリングによって、洗練された印象を強めている。 

ショーヘイ

 メンズのアールエービーディー(三木勘也)は、張り出した肩のラインとたっぷりとした量感のパンツで、強さを感じさせるアーバンエレガンスを見せた。三木らしいスタンドカラーのニュアンスやフロントのラインが長くて鋭いジャケットのフォルムは変わらない。軸をぶらさずに「ベクトルが向かう方向に挑戦した」と三木。アイコンでもあるレザーを、ケミカルウォッシュやタイダイなど仕上がりの異なる加工のデニムに置き換え、ストリート感を出していく。

 革のように赤が鈍く光るジャケットは、オイル仕上げのコットンで、ハードなのに軽やかな印象だ。パンツは斜めにツータックを入れたりフロントでつまんだりして、ドレープラインを描く。

アールエービーディー

 ガッツダイナマイトキャバレーズ(キャバレーアキ、ジャッカルクズ、ダブルウッズショウコ)は、ブランドを始めて10年が過ぎ、支援してくれた人へ感謝の気持ちを伝えようと、新ライン「GCGX」のお披露目を兼ねて、7年ぶりにスぺシャルなショーを行った。

 前半はモノトーンのグラフィティープリントをポイントにしたロックスタイル。次いでフェミニンな花柄をふんだんに使ったハッピームードのスタイル。後半に登場するGCGXは、エイジレス、ジェンダーレスのスポーツライン。プロレスラーなどゲストモデルも含めた様々な世代の男女が、総ロゴプリントのブルゾンにパンツ、パーカなどを着て、それぞれの個性をチャーミングに表現した。

ガッツダイナマイトキャバレーズ

 シンヤコヅカ(小塚信哉)は、渋谷ヒカリエ8/コートで、8ルックのインスタレーションを行った。平凡のあいまいさに着目したクリエイション。デニムやバスクボーダーなど型にはまった生地をビッグサイズのアイテムに落とし込み、平凡から外れた違った見え方を引き出す。

 モデルの顔を覆うマスク、「ディッキーズ」のブルゾンの下に着たTシャツやベルトには、パターンメッシュのキッチンクロスが使われる。既視感があるのに普通じゃない、感覚のズレをユニークに表現した。

シンヤコヅカ

 ファッション・ウィークに初参加したイルイット(工藤亮一)はラップのライブでスタートし、ユニセックスのストリートウェアを見せた。テーマは「ブーケ」。トゲが連なるブーケの柄を、ロング丈シャツやジャケットの前身頃の中央にプリントする。

 モノトーンで総柄を切り替えたスウェットトップやパンツ、ハーフパンツもある。ダークムードを軸としながら、スポーツテイストの軽やかさも加える。メッシュのタンクトップにはトランスペアレントなシャツを重ね着して今っぽく見せた。

イルイット

 ミツル・オカザキ(岡﨑満)はロックなイメージを背景にしたコレクション。テーラードジャケットや星やユニオンジャックをはぎ合せてブラック&ホワイトで描く。ゴールドのファスナーを襟やバックに飾り、ビスで留めながらプリーツを作ったアウターも目立つ。フライングVのギターのプリントやレコード柄のプリントのシャツも。

ミツル・オカザキ

 釣り具などを製造・販売するグローブライドのファッションブランド、ディーベック(ディーベックデザインチーム)は、東京のウィークで4回目となるショーを披露した。表地は光沢のある合繊に裏地はマットな天然繊維を使ったり、塩縮やプリーツ加工で凹凸をつけたりと、素材や加工で陰影を出し、テーマである「光と影」を表現した。

 雨の日でも都会生活を楽しめるよう、透湿防水素材も採用。ポリウレタンコーティングした表地と綿・麻のシャツ地でフィラメントを挟んだ3層構造の生地は、トレンチコートやバルマカーンコートに使った。キーカラーは青。オレンジをアクセントに入れてスパイスを利かせている。

ディーベック

 タエ・アシダ(芦田多恵)は、ここ何シーズンか続けているストリートやダイバーシティー(多様性)を感じさせるコレクションを、テンポ良く見せた。大きなワークポケットのストレートドレスやジャケット、ピカソを思わせるような顔のパーツのアートプリントのTシャツにブルゾン。カーキのミリタリーっぽさとツイードをドッキングしたブラウスやクロップトジャケットもある。

 イブニングドレスはワンショルダーとホールターネックで若々しく。今回2回目のメンズは肩の力が抜けて、リラックスムードになった。モデルのキャスティングも含め、ミレニアルとさらに下の世代を意識しているように見える。それが上質さをより際立たせる。

タエ・アシダ

 ユキ・トリイ・インターナショナル(鳥居ユキ)は、一面に咲くマーガレットやパッチワーク風のプリント、少しレトロな多色の幾何学柄やストライプのアイテムを、足し算なのにセンス良くすっきりまとめた得意のミックスコーディネートで見せた。どれも明るくてハッピーなイメージがこのブランドの魅力だ。ネイビーに金ボタンのジャケットとヘムを全部トリミングしたトレンチコートなど、フレンチシックの要素は今の気分にもぴったりくる。

 いつも作るデニムのシリーズは、白のレースジャケットと合わせたりラインを配したりして新鮮さを出した。

ユキ・トリイ・インターナショナル

 トクコ・プルミエ・ヴォル(前田徳子)のテーマはバハマ。Aラインのドレスやチュニックを、南国の島々ゆかりのモチーフで彩った。ユーモラスな鳥の刺繍、オプティカル柄風のドットで描くハイビスカス、スパンコールの輝くヤシの木と、多彩な手法でカラフルに演出する。透け感あるシフォンやアイレットレースの生地で、クロップトパンツとの躍動感あるレイヤードも軽やかに見せた。

トクコ・プルミエ・ヴォル

(リト、ショーヘイ、アールエービーディー、ガッツダイナマイトキャバレーズ、シンヤコヅカ、イルイット、ミツル・オカザキ=須田渉美、ディーベック=杉江潤平、タエ・アシダ、ユキ・トリイ・インターナショナル=赤間りか、トクコ・プルミエ・ヴォル=中村維)

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