【パリ=橋口侑佳】仏素材見本市のプルミエール・ヴィジョン(PV)パリの第9回PVアワードで、ファブリック部門のグランプリに丸編みのエイガールズ、ハンドル賞に服地コンバーターのV&Aジャパンが輝いた。日本企業がファブリック部門で入賞するのは、4年ぶり。
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グランプリを受賞したのは、表と裏でゲージが異なるクオーターゲージニット。ざっくりとした8ゲージ の表面は、ミサンガなどに使われるポリエステル加工糸からなる。糸そのものは硬いが、丸編みにするとドレープ性豊かで、シルキーな光沢を放つ。最初は硬くて編めなかったが、「この糸をどうにか形にしたい」(尾崎孝夫エイガールズクリエイティブディレクター)と和歌山の工場と試行錯誤し、完成にこぎつけた。32ゲージ の肌面には超長綿を配し、着心地の良さも追求した。
審査委員長でファッションブランドも手掛ける俳優のジョン・マルコヴィッチ氏は、「技術力の高さが伝わってくる美しい生地で、(グランプリは)全会一致だった」と話した。これに対し、尾崎クリエイティブディレクターは、「これからも日本のすばらしいテキスタイルを世界に発信できるよう、クリエイションしていく」と意気込みを語った。
(写真=菊田真奈)