2月11日に開幕した国際素材見本市プルミエール・ヴィジョン(PV)パリ。26年春夏は繊細で軽やかな素材が充実する。水の流れる様を毛足を使って表現したり、春夏展の中心テーマ「サヴォワールフェール」(匠の技)に通ずるような手仕事感を加えた素材も見られた。
(パリ=関麻生衣、写真=チェ・ミンキョン)
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来春夏の軸は三つ。気候変動に対応し、テクノロジーで産業を刷新していくためのエネルギーを取り込む「リフレッシュ」、味覚などから得られる快楽を素材や色で表現する「リセット」、サヴォワールフェールを現代的な物作りに落とし込む「リストア」だ。「再解釈や再構築といったRE(再)の考えがテーマの根本にある」と、デゾリナ・ズーターPVファッションディレクターは話す。
素材は透明感と膨らみで風や雲をほうふつとさせる。長い毛足や刺繍、絵画のように大胆で鮮やかで、工芸にも通ずるような色柄も目立つ。スパンコールやラメ糸使いもポイントになりそう。
トレンドフォーラムはアイスブルーを基調に涼やかな印象の空間にした。アースカラーやみずみずしいラズベリーの赤、柔らかなピンクもキーカラー。色の組み合わせも重要な提案でフォーラムのデジタルスクリーンで紹介した。