「プロエンザ・スクーラー」は21年春夏コレクションを本にして発表した。ニューヨークへのラブレターを意図し、ニューヨークの朝から夜までの様々な風景を切り取り、そこにコレクションをまとうモデルたちを重ねた。本はプロエンザ・スクーラーのウェブサイトとソーホーにある直営店で、70ドルで購入できる。デジタルが急増するなか、実物ならではの触感やニュアンスにこだわった。
コレクションは楽観的、喜び、控えめな自信を肩ひじ張らずに表現できる服を目指した。ソフトなシルエットのパンツとドレスが目立つ。パンツは、床をひきずる丈の裾広がりのカットが特徴的だ。ディテールはドレープ、プリーツ、カットアウトが多く、靴はフラットシューズでまとめる。半年後に女性たちの暮らしがどうなっているか想像もつかないけれど、心地よく過ごしやすくあって欲しいという願いを込めたという。素材はイタリアの工場閉鎖もあり、90%は過去のコレクションの残布をアップサイクルした。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)