【プラグイン/エディトリアル】CFDの新興ブランドに注目 独自の視点で広げる7ブランド

2025/10/23 06:25 更新NEW!


 合同展「プラグイン/エディトリアル」(繊研新聞社とCREDITSの共催)が22日に開幕した。会場は東京・渋谷のヒカリエホール。出展企業は前回の24年10月と同規模の約100ブランドで、新規出展が7割を占める。注目は勢いのある若手ブランドを一度に見られる東京ファッションデザイナー協議会(CFD)の集積ブースだ。

(カッコ内はブース番号)

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 CFDのエリアには、加盟する「ズットマツリカ」「アナジェー」「エセル」「パノルモ」「アーモンドオイル」「ロウランダー」「ヘオース」の7ブランドが出展している。

 ズットマツリカ(CFD-01)は、髙橋直子さんが今春設立した子供服を中心とするライフスタイルブランド。髙橋さんは06年から約19年間、イッセイミヤケでグローバルマーケティングなど幅広い業務を担当してきた。出産・育児を経て、自身の子供が難病を抱える経験をもとに、ブランドを立ち上げた。収益の一部を難病児やその家族の支援に還元する。難病の子を抱える家族が描いた作品をプロダクトに取り入れる仕組みも設け、デザインを通じて「すべての子どもと家族が安心できる未来」を目指している。海外事業を担っていた視点から、日本の伝統技術も取り入れていく。

親子で着られるアイテムも充実した(ズットマツリカ)

 現在は自社ECで販売している。今後は百貨店などでの販売を目指す考え。親子で着られるワンピースやオリジナル柄をプリントした大判のスカーフなどを揃えた。

オリジナル柄をプリントした大判のスカーフ(ズットマツリカ)

 パノルモ(CFD-04)はバイオリニストの花井悠希さんによるドレスブランド。ブランド名は自身が所有するバイオリンの製作者の名前に由来する。「演奏家の目から見たドレス」をメインテーマに、演奏会向けのドレスアップから日常の延長で着用できるライトオケージョンのアイテムまで幅広く提案する。熊本に自社縫製工場を持ち、生産背景にも強みがある。秋冬の売れ筋は、袖にオリジナルのレースを使ったプリーツドレス。夏に向け、コットン、ポリエステルの半袖ワンピースを作った。

オリジナル柄をプリントした大判のスカーフ(ズットマツリカ)
「パノルモ」は夏に向け、軽い素材を使ったドレスも作った

 ヘオース(CFD-07)は、中国出身のデザイナー暁川翔真さんが21年秋冬に本格スタートした。暁川さんは東京モード学園を卒業後、アパレル企業でのパタンナーやフリーモデリストとして経験を積んだ。ブランド名はギリシャ神話に登場する「暁(あかつき)」の神に由来し、一日の始まりであり最も美しい時間帯も意味する。

 現在、セレクトショップを中心に卸販売をしている。中国を中心とした海外売り上げが全体の6割を占める。今後、国内セレクトの開拓を目指す。シーズンテーマは「無常」。枯れた花や大地の様子をテーラードジャケットにプリントやしわ加工などで落とし込んだ。

シーズンテーマの「無常」を象徴する「ヘオース」のテーラードジャケット

アーカイブ展のプレビューも

 CFDの設立40周年を記念して11月に渋谷スクランブルスクエアで開催する80~90年代アーカイブ展のプレビューも行っている。CFD創設に携わった「イッセイミヤケ」「コムデギャルソン」「ヨウジヤマモト」のアーカイブを、ワールドグループのラグタグの協力のもと展示。スタイリングは、スタイリストのミヤマスヨシさんが担当した。

CFDが11月に開くアーカイブ展の一部をプレビュー


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