「ピッティ・ウオモ」開催中止 デジタル見本市強化

2020/06/05 11:20 更新


 【ミラノ=高橋恵通信員】イタリアのピッティ・イマージネ社は、9月に延期開催を予定していた「ピッティ・ウオモ」などの見本市の中止を発表した。「ピッティ・ビンボ」「ピッティ・フィラーティ」「フラグランツェ」「スーペル」も、来年1月以降の回からの開催となる。「新型コロナウイルスの影響により出展者数が不足している上、国から国への移動が難しい状況にある。伊政府、EU(欧州連合)からの支援が遅れていることで、最終的な出展の決断ができない企業が多かった」(クラウディオ・マレンツィ会長)としている。

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 6月末、遅くとも7月上旬には、かねてからから準備してきた、トレードフェアのネットワーキングとビジネスを加速させる高度な新デジタルプラットフォーム「ピッティ・コネクト」をスタート。9月いっぱいまで、デジタル見本市として活用が可能だ。「ビジネス、プロモーション、コミュニケーションなど、実際の見本市に劣らないサービスを提供できると確信している。デジタル展開のため、イタリア貿易振興会からの補助金も獲得している」(ラファエロ・ナポレオーネ代表)。

 同社は、自社のデジタル見本市「イー・ピッティ」のほか、「ミラノウニカ」などの他社のデジタル見本市開発も手掛ける、伊のデジタル見本市界の先駆けだ。毎秋、ファッションとデジタルをテーマにシンポジウム「イー・ピー・サミット」も開催する。「イー・ピッティ」の昨年1月のフェアでは、バイヤーによる出展者情報の検索回数は、18万2000件を記録。前回の「ピッティ・ウオモ」会期中は、バイヤーが1300万回以上、出展者のホームページを閲覧している。

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