ユニクロが欧州で3日から販売しているUT「北斎ブルー」が、パリ各店で大ヒットしている。日本で唯一手摺(てすり)木版の和装本を刊行する出版社、芸艸堂(うんそうどう)の木版のアーカイブを元に、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」からブルーに焦点を当て、モダンに再解釈したデザインTシャツのコレクションだ。
ユニクロフランスがクリスマス前にインスタグラムに投稿した北斎ブルーの発売告知には、「いいね」が2700集まった。19世紀のジャポニスムのきっかけとなった浮世絵、そして現在パリで開催中の日仏友好160周年大イベント「ジャポニスム2018」も追い風となり、パリジャンたちの北斎への関心をそそるアート企画商品の強さを見せた。
オペラ旗艦店の北斎ブルー特設売り場には、メンズスウェットシャツ5型、グラフィックTシャツ10型が並べられ、幅広い年齢層に飛ぶように売れている。初のウィメンズも好評だ。同店では芸艸堂と協業し、木版画の摺立順序や北斎漫画の完全復刻版を紹介するミニ展覧会を開設した。ル・マレ店やサンジェルマンデプレ店では北斎のアートブックを展示している。併せて、どら焼きと煎餅(せんべい)を添えた狭山茶の試飲会も開かれ、新春の香りを振る舞った。
(パリ=松井孝予通信員)