オットージャパン、「ファビア」の成長を加速

2017/03/16 06:24 更新


 通販のオットージャパンは今年、日本独自展開のキャリア向けブランド「ファビア」で、ECと実店舗での購買体験の向上を図るとともに、商品力をより強化し、成長スピードを速める。

 4月21日に東京・表参道に初の常設直営路面店を開設。20代後半から30代女性のおしゃれ心を満たす商品を提供して顧客接点を構築し、ECではIT(情報技術)を駆使した個客対応に磨きをかける。

 ファビアは同社が日本だけで企画・販売し4年目。初年度(13年)売り上げ13億円から毎年2ケタ成長を続ける。通販ブランドからの脱皮を目指し、期間限定店やウェブ接客システム開発などに積極投資して、16~17年秋冬も前年同期比30%増と大きく伸ばした。

 ただし、期初計画には達しなかったため、4年目を重要な飛躍の年と位置づけ、顧客とのコミュニケーション・商品力をより強化する。

 今春夏は、実店舗出店、主軸のECとの相互顧客循環、商品力強化の三つを重点にする。初の常設実店舗は都内に3店開設する計画で、4月は表参道に旗艦店を設ける。売り場面積約83平方メートルで、顧客に自宅のクローゼットの感覚で活用してもらうとともに、ファンイベントなどを積極的に行う。他の2店は都内商業施設に出す。

 昨年に期間限定7店を都内で開設したところ、顧客はモバイル端末でECサイトをチェックし、気になった商品を実店舗で確認する姿が目立った。店舗とECをより行き来してもらい購買につなげる。また5月には、ルクア大阪に期間限定店を出す。大阪では初の店舗で、関西の顧客との接点も広げる。

 ECでは、個客に合った商品提案や接客コミュニケーションなど「店舗接客」機能を強める。昨年にウェブ接客システムを導入し、今年はさらに人工知能を活用したおすすめ提案と会話対応を充実する。

 2月24日に導入した、画像認識ソフトを活用した「ハッシュタギング・ショッピング」サービスはユニークな試み。売り手側のアイテム編集ではなく、買い手側が好きな言葉を付けて商品群をくくることができ、さらに他ユーザーがつけたハッシュタグによる商品検索も可能。実験ではあるが、売り手の押し出し感覚をなくし、顧客の感情に寄り添う。

 商品については、得意のワンピースをよりブランドの顔にするとともに、新たにコンフォートシューズを開発・販売する。シューズは働く女性を応援し、ブランドファン化するアイテムに育てる。スニーカーで使用する中敷でクッション性を高め、履きやすく走ることもできる。3型3色で、店舗限定カラーも販売する。7900円。


17年春夏はソフト&チャーミングがテーマ。ワンピースをブランドの顔にしてオン・オフで活躍するアイテムを充実



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