ECのマイティ、年商50億を達成 機会ロス削減実る

2018/01/25 04:27 更新


 レディスファッションEC「オシャレウォーカー」を運営するマイティ(大阪府和泉市、木下常一社長)が業績を伸ばしている。18年1月期の売上高は50億円(前期比35%増)となり、来期も76億円と大幅な増収を見込む。期間限定店などによる新規客の開拓、海外事業の拡大も進める。

(古川富雄)

 同社は15年1月期まで順調に成長したが、その後停滞した。商品企画は当たっていたが在庫が不足することが多く、機会ロスを起こしていた。そこで外部からも人材を登用し、組織的な運営に切り替えた。客層は30~44歳が全体の53%を占める。ブランドはテイスト別に三つあり、それぞれ1サイズでさまざまな体形に対応できるものが多い。

 18年1月期が大幅増収になったのは、客数の増加が理由。15年1月期まではヤフーと楽天だけの出店だったが、その後主要なモールにはすべて出店、自社サイトも開いた。また、大型商品については、在庫を積む量、販売期間を徹底して精査し、機会ロスの削減に努めるようにした。これらにより新規客が増えるとともに、顧客の購買頻度が上がった。客単価は8000円前後と変わっていない。

 昨年秋からは百貨店や商業施設で期間限定店の開設を始めた。新規客を増やし、商品を手に取りたいという顧客の要望に応えるのが狙いだ。昨秋、初めて取り組んだ渋谷ヒカリエ・シンクスでの期間限定店は、2週間で約450万円を売り上げた。その後、各所から出店依頼が来た。今年も春だけでヒカリエ、大丸梅田店、ながの東急百貨店、福岡パルコ、あべのハルカス近鉄本店などが決まっている。

 常設店は大阪府泉大津市に1店だけある。不便な立地だが、遠方から顧客が来店し、年商は6000万円弱と安定している。都心部に常設店をつくる計画もある。

 2月26日には、本社を大阪市内中心部に移す。ショールーム、撮影スタジオ、商談室などを備えた新しい拠点とする。今後の成長を支えるには、人材採用が欠かせないとして、移転することにした。

 中期的には20年1月期に100億円達成を目指しており、現在のペースで進めば1年前倒しでの到達もあるとしている。将来的には、既に始めている海外事業の拡大、レディスファッション以外の事業化なども進める。



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