オンワードHD 今期EC売上高300億円へ

2018/04/10 04:30 更新


 オンワードホールディングス(HD)は今期(19年2月期)、EC売上高を前期比48%増の300億円に拡大する。これに向け、企画・生産から販売、物流まで「オムニチャネル時代に即した事業基盤」(保元道宣社長)の構築に力を入れる。特に、物流を強化し、拠点集約化と在庫一元化、全製品へのICタグ装着による業務の効率化を実行する。また、下期からは「フィールドドリーム」を再開し、SCを中心に多店舗展開に入る。

(矢野剛)

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 同社の18年2月期連結業績は、前期比0.7%減収ながら、営業・経常段階まで増益を達成し、下期は増収増益となった。

 リードしたのはECで、売上高は37%増の203億円に到達。しかも、オンワード・クローゼットを中心とする直営比率が75%、オンワード樫山単体は85%と高く、売り上げ、利益の両面で大きく貢献した。

 物流は支店在庫をなくし、今期から11拠点を四つに集約。今年8月には実店舗とECの在庫一元化も完了する。海外生産も、中国の保税地区で商社から一括で商品を仕入れ、一括物流体制も整えた。今後は19年をメドに、ベトナム・ホーチミンも同様に移行する予定だ。ICタグは4月に全商品約1700万点に装着、全ての倉庫に読み取り機器も導入した。

 オンワード樫山のフィールドドリームは16年に中止した。再開にあたり、価格帯をリーズナブルに見直し「コーディネート型から単品集積型に変更」(大澤道雄社長)。9月から出店を始め、19年には10~15店、20年には30店、売上高30億円程度を目指す。

 新規事業では、スーツのオーダーメイド「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」(オンワードパーソナルスタイル)で中国・大連の自社工場での生産が始まり、最短1週間でのデリバリーを実現。「パーソナライズ化は今後のアパレル事業の重点課題であり、他のブランドでも同様に推進する」考えだ。




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