PR、営業代行、輸入卸などのワンオー(東京、松井智則社長)は〝トラストファッション〟(ファッションの信用)をテーマにしたブランド「イコーランド」を企画・開発し、9日に自社オンラインストアで発売する。
同社初のオリジナルブランドで、ディレクターは古瀬伸一郎取締役、デザインや製品開発は、原料や染色など物作りに精通した同社の坂田英一郎氏が担う。
イコーランドは松井社長が構想する、〝平等なコミュニティー〟を象徴するブランド。「ファッションの余剰在庫の問題解決や、信用される形とは何かを考え」、国内外の工場で眠ったままになっている上質な原料や生地を活用して、衣服を作る。
第1弾は、インドの紡績工場に眠っていたGOTS(国際オーガニックテキスタイル基準)認証のオーガニックコットン糸を使ったTシャツ。ラグジュアリーブランドが使い残したというこの50番手の糸を双糸にして使い、白と黒の「ベーシックTシャツ」と、「ボタニカルダイ」で染めた「ボタニカルTシャツ」を作った。

ボタニカルダイは、ジンジャー(白)、バナナ(黄色)、ビーツ(ピンク)、ログウッド(ネイビー)で染めた。染料の原料の一部は、ブランドの賛同パートナーである日本初のコールドプレスジュース専門店「サンシャインジュース」が提供した。
ベーシックTシャツはメンズで半袖Tシャツ6800円、長袖9500円、サーフTシャツ6500円。S~XL。ボタニカルTシャツはユニセックスで胸ポケット付き半袖Tシャツ8800円。XS~XL。販路は「高質な素材を使ったアイテムを手頃な価格で提供するため」(松井社長)、自社オンラインサイトによるDtoC(ダイレクト・ツー・コンシューマー)とする。

ブランドを象徴するものが、〝信用タグ〟と呼ぶ長くて大きなタグ。物作りに携わった一人ひとりの自筆署名を印刷したタグをつけて販売する。第1弾のTシャツには、綿花生産者、紡績、生地、縫製、染色、仕上げ、デザイン、パターンと、製品にかかわった人の自筆署名を記した。

今後も、国内外の工場に眠る、糸や生地、皮革などの余剰在庫を発掘し、製品化していく。すでに、ラグジュアリースポーツブランドが使い残した裏毛や、ラグジュアリーブランドの生産工程で発生したムートンの端切れをパッチワークした生地を使って製品化を進めている。
また、ブランドに賛同するパートナーの輪を広げていく。ボタニカルTシャツは、賛同パートナーとなったパリのセレクトショップ「メルシー」向けに、3色の別注Tシャツを作った。8月27日から店頭販売する。
越境ECにも早々に着手する。3年後に売上高10億円を目指す。
