小田急電鉄 新百合ヶ丘駅の活性化策促進

2018/11/30 06:27 更新


 小田急電鉄は新百合ヶ丘駅(川崎市麻生区)周辺を最重点エリアと位置付け、駅と商業施設を一体化した活性化策を促進している。27日には駅直結の商業施設、小田急アコルデ新百合ヶ丘北館の3階を全面改装オープンした。

 4月に大型改装を終えた駅南口前のSC、新百合ヶ丘エルミロードとの相乗効果を発揮させ、「エリア全体の回遊性向上」(加藤雄介小田急ステーションビジネスセンター長兼新百合ヶ丘エルミロード所長)を狙う。

 アコルデ北館は駅北口に位置し、店舗は地上1~3階に入る。3階は改札階で、今回の改装で店舗面積を従来の約1287平方メートルから約1419平方メートルに拡大した。北館全体の店舗面積は約3960平方メートルで、店舗数は18店。

 3階は改装前の9店から10店に増やし、新店5店を導入した。従来は書籍店と音楽・映像ソフトのレンタル店がフロア全体の面積の半分以上を占めていたが、人気レストラン「ブッシュウィック・ベーカリー&グリル」や若い女性客に人気の台湾ティーカフェ「ゴンチャ」、カフェ「スターバックスコーヒー」などを入れて飲食を強化、ドラッグストア「マツモトキヨシ」を入れた。「駅利用者や近隣住民の生活利便性をさらに高める」のが狙い。

27日に改装オープンしたアコルデ北館は初日から多くの客でにぎわった

 マツモトキヨシは同施設の特性に合わせた内装とMDにし、「所得と感度が比較的高い地元客層のニーズに対応」して、コスメを充実した。他フロアから移設・改装オープンした「マークスアンドウェブ」との相乗効果も狙った。物販ではアイウェア「ジンズ」も他フロアから移設した。さらに、駅コンコース側の入り口を改修して「施設の視認性を高める」と同時に、施設内に緑の植栽を使った休憩スペースを新設して「居心地の良い空間」にした。

 新百合ヶ丘駅は乗降客数が伸びており、周辺の人口も増えている。ただし、商業施設はエルミロードや新百合丘オーパ、イオンがある南口に集積しており、北口側は「開発が遅れていた」。アコルデ北館の改装によって「南北の回遊性を高め、エリア全体を盛り上げる」。

 エルミロード(地下1階~地上7階)は昨年から今年4月にかけて、5階レストランフロアと地上1~2階を改装した。1~2階はファッション・雑貨を移転・改装し、グロサリーやカフェを拡充、共用部も刷新して「集客増と滞在性の向上」を狙った。今期の全館売上高は4~10月で、改装前の16年度同時期に比べて1~2階が9.6%増、5階が4.6%増、全館で3.8%増と順調だ。アコルデ北館の改装を機に、相互送客策を促進し、弾みを付ける。 



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