タオルメーカーのおぼろタオル(三重県津市)の創業は1908年。手ぬぐい文化からタオルに変わるころ、日本画家である森田庄三郎氏が「無地だけでは味気がないから」と、特殊な染色技術で湯に浸すと模様が浮かぶ「おぼろ染めタオル」を考案したことから始まった。100年以上の時を経て、OEM(相手先ブランドによる生産)中心の体制から脱却。原点回帰で創業者と同じオリジナル商品の開発に重点を置く。一生懸命作ったタオルを、より多くの人に届けるために。そんな使命感を抱く創業者のひ孫に今、バトンが渡された。
【関連記事】【軌跡】《100年続く看板商品、おぼろタオル㊤》はじまりは日本画家の情熱
守られてきた黄金のレシピ
――おぼろタオルに入社したきっかけは。
曽祖父が創業して以来、社長に適した人がタオルメーカーとして経営をつないでいきました。ただ、00年前後からタオル業界は海外製品の増加により厳しい価格競争の時代を迎えました。折しも、曽祖父が行ってきたことを振り返る機会があり、すごい人だと感じました。私は異なる業界で働いていましたが、守られてきた技術がなくなるかもしれないと思うと、少しでも力になりたいと考えた。当時の社長に電話で頼み込み入社しました。そのため、創業者のひ孫だからといって社長になれるとは夢にも思っていなかったですし、社長になろうと思って入社したわけではありません。
入社時に親族はいませんでしたが、周りの人に支えられてきました。特に山﨑伸治専務が入社してからは、オリジナル商品を開発して販路を広げてくれています。私も営業活動はしますが、いかにおぼろタオルを知ってもらえるかの広報に自分の役割があると思っています。
――社長就任にあたって抱負は。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!
.jpg)