三越伊勢丹は婦人靴の海外共通ブランド「NTバイイセタンミツコシ」で、日本の文化の発信を強める。国内で展開する自社ブランド「ナンバートゥエンティワン」をベースに新たな魅力を加え、国際靴見本市ミカムへの出展を皮切りに、海外での販売を強化する。
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過去2回のミカム出展では、日本でも販売する商品を品揃えしていたが、「外国の方が興味を持つのは自国にない要素があるもの。日本らしさを格好良く表現することに専念した」という。新たに3人のクリエイターと協業し、和の要素を生かした国産の物作りに取り組んだ。
一つが、下駄の鼻緒を取り付けたバルカナイズ製法のスニーカー「ホールラブキョウト」で足袋を履いているような外観に特徴がある。また、切り子のモチーフをあしらった革と、和紙をクロコダイル風に加工した生地を使い、履き心地に定評ある木型で2種類のスリッポンを企画。世界的に消費が伸びているスニーカーで勝負した。
結果、卸価格は80 ユーロ 前後とやや高めだが、新規でミラノのセレクトショップが30足近く発注するなど、まずまずのスタートを切った。他にロシアなど複数の小売企業が関心を示しており、今秋は米国やフランスの有力企業との商談も予定する。
将来は、日本をテーマにした期間限定店などB to C(企業対消費者取引)のアプローチも検討していく。