【サンフランシスコ=立野啓子通信員】創業者一族による経営が続く米大手百貨店のノードストローム(シアトル)は、メキシコの小売企業エル・プラルト・リバプールとパートナーシップを組み、全ての株式を買い戻すと発表した。
総額は38億ドルとなるとしており、株式の51%はエリック・ノードストロームCEO(最高経営責任者)、社長兼最高ブランド責任者のピート・ノードストローム氏をはじめノードストローム一族、49%はリバプール社が保有することになり、非上場会社となる。2億5000万ドルの銀行融資を受ける。
リバプール社はメキシコでギャップ、バナナリパブリック、ウィリアムズソノマ、ポッタリーバーンの小売店舗を持つ。
米国では、コロナ禍の影響を大きく受けた百貨店の減収減益が続き、現在再建の岐路に立っている。4半期ごとの決算で、投資家を満足させなければならない株式公開会社では、長期計画で再建を目指すのは困難と判断した。1901年創業のノードストロームは、現在の経営者の曽祖父によって靴の専門店として始まった。71年に株式上場したが、6年前にも非上場会社への移行を計画し実現しなかった。今年4月に非上場会社に移行するために特別委員会を設置していた。