ニュース2018③ デジタル技術の活用

2018/12/28 12:00 更新


 ファッション企業経営にITを駆使した自社サービス革新と挑戦が必須――18年はファッション業界で最新テクノロジーを使った新サービス開発が大きく注目された。消費者の洋服購買での課題解決を目指す企業やブランドの姿勢が、客の支持率を変える。

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購入の課題克服へ

 18年テクノロジー活用の代表は、ゾゾPBのための体形測定「ゾゾスーツ」、ジーユーのショールーム型店舗「ジーユースタイルスタジオ」などが挙がる。

 ゾゾスーツは17年11月に発表され、18年1月末から測定した数値から個客体形に合わせて作るPB「ゾゾ」販売が始まった。発表当初のゾゾスーツは、体形測定できるセンサーが内臓された画期的なもので、その先端性が大きな話題になった。ただ生産問題もあって2代目ゾゾスーツに変わりつつも、夏には紳士向けオーダースーツの発表など、半年間は関連商品が話題をさらい、米雑誌『タイム』でもイノベーションアイテムとして取り上げられた。

 体形というビッグデータを収集・分析できることも、企業価値として注目された。これからは同スーツなしで体形がわかるようになるようだが、洋服購買の障壁への変革と挑戦という企業姿勢への支持は強い。

実店舗の導入進む

 ショールーム型店舗のジーユースタイルスタジオは、全商品が試着できるサービスをメインにした売り場で、デジタルサイネージ(電子看板)で客に似たマイアバターが作成でき、試着室では服のICタグを読み取り、客のアプリに情報を飛ばし、自宅で購入検討ができるといった購買での利便・先端性を提案した。

 すでに青山商事がスーツ仮想試着でアバターを活用しているが、試着室でのICタグ活用はジーユーが先行事例となる。いずれも「客がどんな商品に関心があり、購買したか」のデータ収集を重視している。まだ1カ月経っていないため、同店への来店数や利用状況は明らかにしていないが、幅広い客が来店している模様だ。

 この数年間、ファッション小売り・ブランドではEC強化と、顧客接点をシームレスにつなぐオムニチャネル戦略により、ECと実店舗で同一サービスの提供が進んだ。しかし、いまだ洋服購入での課題は多く、面倒な試着、サイズの不明瞭さなどの克服が求められている。19年はEC、実店舗の両販路で、購買体験の向上のためのテクノロジー導入などの動きが加速する。

 生産ではスマートファクトリーの構築、商品では心拍や心電など生体情報をセンシングするスマートウェアへの期待が高まる。技術と品質が向上し、日常使いできる衣服としての完成度も上がり、実用化に向けた動きが強まる。

ゾゾスーツを着用し、スマホで撮影すると個人の体形測定ができるテクノロジーは大きく注目された

(繊研新聞本紙12月25日付)



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