新型コロナウイルスの影響で休止していた中国の工場が、徐々に生産を再開している。しかし、従業員の復帰は遅れている状況だ。日本のファッションブランドの現地での店舗も休業や時短営業が続き、売り上げは厳しい状況が続いている。
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クラレトレーディングは製品OEM(相手先ブランドによる生産)事業で活用する中国の協力縫製3工場が生産を再開したものの、従業員の復帰が遅れ、50%稼働にとどまっている。
協力工場は厦門2軒と、青島1軒で再開はできているが、移動の制限で従業員の戻りは6、7割程度。スポーツ中心に活用し、春向けの主力商品は春節前に出荷済みだが、一部、期近対応の受注が残っており、主力のベトナム拠点やQR用の日本でカバーする構え。
一方、スポーツウェアの内販を手掛ける上海現地法人は、春夏の主要商品は年明けに納品済みで大きな混乱はないが、長期化による秋冬向けへの影響を懸念する。
レディスブランド「アクシーズファム」を上海や杭州で店舗展開しているアイジーエーは、上海事務所の入居ビルが閉鎖されている。ただし、複数ある上海店舗は時短営業していることもあり、日本人総経理には帰国命令を出さずに、状況を注視している。杭州店は閉店中。売り上げも厳しい中で、出店するタオバオでのECは「売り上げが少し回復」してきているという。