なんばシティ 売上高13%増 大規模改装が効果

2017/04/13 06:27 更新


 昨年春に大規模リニューアルした大阪・なんばシティの16年度売上高は、前期比13%増の321億5400万円と大きく伸びた。目標の315億円も上回り、想定以上の売り上げとなった。特に開業以来初のリニューアルを行った南館が大きく伸び、本館、隣接するなんばパークスとの回遊性が高まった。

 昨年3月18日には本館を改装、オンタイム中心のレディスファッションを強化した。4月27日には業種が入り組んでいた南館を抜本的に改装。大型専門店とカジュアルファッションを集積した。

 この結果、16年度売上高は本館が10.3%増、南館が20.4%増と伸びた。昨年5月以降は9月を除いて2ケタ増。業種別では服飾が13.5%増、生活文化が16.9%増、飲食が8.9%増だった。服飾では「ジャーナルスタンダード」「アダムエロペ」などレディス・メンズ複合店が好調。南館は2階の「ハンズビー」「無印良品」など大型テナントが順調で、1階カジュアルファッションにシャワー効果を発揮した。20代前半の若い客層が増えたとしている。

 運営する南海電鉄は「売り上げ予算を含め、南館の改装、本館となんばパークスとの3館の役割の明確化という当初の目標は達成した」と見る。

 顧客化の進展も増収の理由とする。なんばパークスとの共通ポイントカードのプレミアム会員(年間購入額30万円以上)をじわじわ増やし、約1万9000人に達した。南海グループを挙げて強めているインバウンド(訪日外国人)対応も成果を上げた。免税売り上げは前年の2.6倍となり、売り上げに占める構成比は3.6%となった。

 今年度は4月から始まった南海グループ共通のポイントカード「ミナピタポイントカード」への切り替えを進める。南海電車の定期券、なんば駅のエキナカ店舗などでもポイントがたまるもので、オール南海での囲い込みを強める。今年秋には南館の飲食店ゾーンのリニューアルを予定している。


 関連記事:「大阪・京都の主要商業施設 16年度の大半が減収」については、4月13日の一面をご覧ください。

改装効果を発揮しているなんばシティの南館


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