「ナカガミ」が初の直営店 中目黒に透明な箱が出現

2021/02/01 11:00 更新


 広島を拠点に活動する中神一栄のレディスブランド「ナカガミ」が、初の直営店を東京・中目黒にオープンした。フェミニンな中に強さや遊び心が見え隠れするナカガミの服は、「経年変化を楽しみながら、大切に育て10年後も着ることができる」がコンセプト。フルコレクションがゆっくりと楽しめる売り場になる。

 店は目黒川のほど近く。少し歩くと、扉を取り払ったガレージのようなフロアに置かれたスケルトンの巨大ボックスが見えてくる。中に置かれているのは、服が並ぶラック2本とメタリックなボックステーブル。21平方メートルのアート作品のような空間が、ミニマルに整えられた店であることが分かる。

 入り口の扉がないので、外と中の境界はあいまいだ。街に溶け込みながら全てを受け入れる店を目指したという。スケルトンの扉を広く開けると、縁側のようにヘリに座ってゆっくりお茶などが楽しめる。サポーズデザインオフィスがデザインを担当した。フロア全体の面積は62平方メートル。奥にはプレスルームを併設している。

「ナカガミ」初の直営店
外と中の境界はあいまいに

■中神さんの話

 広島での物作りに困ることはないけど、独立から9年経ち次のステップを考えたとき、東京に店が欲しかった。貸し出しのたびに広島から商品を送るのは不便だし、展示会以外で全部を見てもらうこともできない。店があれば、と思ったんです。

 コロナ禍に売り方を改めて考えるなかで感じたのが、卸先に頼ってきたな、ということです。

 それなら、我慢するより頑張ってみよう、自分たちができることをコツコツやろう、と動き出しました。傷ができても楽しいはずだし説得力も増すと思います。ブランドを全国の人に知ってもらいたいですね。

 うちの服は安くないですし、長く大切に着て欲しいので、買う時はゆっくり選んで欲しい。だから落ち着ける場所を探しました。通っていたバンタンも中目黒で、「サカイ」時代の仕事場も代官山。もともと好きなエリアです。ふらっと入って、服の話でもしながらのんびり集ってほしいです。

 今後はうちでは作れないインナーやアクセサリーのポップアップも考えています。ここがうまくいったら、広島店も作りたいですね。

デザイナーの中神一栄


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