「ミューラル」23年春夏コレクション 夜風はらむフルイドスタイル

2022/09/15 06:26 更新


ミューラル

 「ミューラル」(村松祐輔、関口愛弓)は5シーズンぶりに都内でショーを行った。会場はフランク・ロイド・ライトが手掛けた自由学園明日館の芝生広場。幾何学模様を配した建物を背景に、淡く幻想的なコレクションが始まった。心地良い夜風に乗って登場したのは、透明感のある軽やかなドレスやパンツスタイルのバリエーションだ。花の刺繍のキャミソールドレスに、チュールレースのマキシドレス。ラメを織り込んだジャカードやクラシカルな膨れ織りが、かすかに光をプラスする。モデルの髪にも箔(はく)が散りばめられていて、ファンタジックなイメージが全体を包み込む。そんな優しいスタイルをぐっと日常に引き寄せてくれるのが、マスキュリンなジレやテーラードジャケット。軽く羽織るだけでリアリティーを感じさせる。テーマはヌード。等身大であることを目指したという。コロナ禍以降、EC中心の発信が続く中、久々にショーを行ったのは「カンフルが必要だったから」と村松。ファンにも見てもらいたいという思いから、190人の顧客を招待した。

(青木規子)



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