虎ノ門ヒルズステーションタワー、今秋開業 「新たな街」が完成へ ベイクルーズ大型新業態など約80店

2023/01/24 14:05 更新


 森ビルは東京都港区の虎ノ門に大型複合施設「虎ノ門ヒルズステーションタワー」を今秋に開業する。20年6月に開設された東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅直結で、商業施設にはベイクルーズの大型新業態など約80店が出店する。これにより、14年開業の森タワー、20年開業のビジネスタワー、22年1月に完工した住宅主体のレジデンシャルタワーと合わせて虎ノ門ヒルズ全体が完工、敷地面積約4万8000平方メートル、延べ床面積79万2000平方メートル、商業面積約2万6000平方メートルの「新しい街」が出来る。

 虎ノ門ヒルズ全体のオフィス総貸室面積は約30万5000平方メートル、住宅戸数は約730戸、ホテルの客室数は約370室、商業店舗数は約170店となる。就業人口は約3万人、居住人口は約1800人を見込む。

 ステーションタワーは地下4階~地上49階、高さ約266平方メートルで、延べ床面積約23万6640平方メートル。建物は7月に完工する予定。隣接街区に地下3階~地上4階の「グラスロック」(延べ床面積約8800平方メートル)と地下1階~地上12階の「虎ノ門ヒルズ江戸見坂テラス」(同約8100平方メートル)も作る。

 「単なるビルの建て替えではなく、都市インフラとの一体開発を重視」(辻慎吾社長)し、これまで実施された環状第2号線や駅の整備などに続き、3層吹き抜けで、約2000平方メートルの地下駅前広場「ステーションアトリウム」や幹線道路(国道1号線)上に歩行者デッキを設ける。地下を含めて、4棟をつなげ、回遊性を高める。

 商業店舗はタワーの地下2階~地上7階とグラスロック、江戸坂テラスの一部に導入する。店舗面積は約1万4400平方メートルで、これによって虎ノ門ヒルズ全体の商業面積は従来の約2.5倍に拡大する。ベイクルーズの店舗は約2800平方メートルで、複数ブランドを揃え、「新しいライフスタイルを提案する」フラッグシップストアとする。東急スポーツオアシスによるジム・温浴・サウナなどの「都心最大級」の総合ウェルビーイング施設も導入。さらに、アトリウムに直結し、『ミシュラン』で星を獲得したシェフによる新業態を含め、全27店の飲食、食物販店などが入るフードホール「T‐マーケット」をアトリウムに直結して開設する。

 地上1階と11~14階はハイアットによる客室数205室の高級ホテル「ホテル虎ノ門ヒルズ」を入れ、9~10階と15~44階を総貸付面積約10万7000平方メートルのオフィスゾーンとする。8階の一部と45~49階にはホールやギャラリー、カフェ・レストランなどで構成する約1万平方メートルの情報発信拠点も設ける。

 森タワーが14年に開業して以降、周辺の再開発が進み、コロナ禍の影響は受けながらも、若い女性や家族連れを含め、ワーカー以外の来街者が増え、エリア全体が大きく変化している。今後も自社の中小規模のビルの建て替えを含め、「周辺の再開発を進めていきたい」という。同社は虎ノ門ヒルズと六本木ヒルズの中間エリアにも、全4棟で、延べ床面積約86万1500平方メートルの大型複合施設「麻布台ヒルズ」を今秋に開業する。



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