ジュンの「サロン・アダム・エ・ロペ」は、23年春から日本生まれの物作りを発信するプロジェクト「ニッポンカルチャー・バイ・サロン」を始めた。
これまでも日本製の生地を使った商品を提案してきたが、焦点を当てて物作りの良さ、技術の高さを伝える。第1弾は、小松マテーレの廃棄される天然成分の染料で染めた「オニベジ」のトレンチコート。化学染料のみでは表現できない柔らかでナチュラルな色が魅力となる。
オニベジは、玉ネギの皮から抽出した成分をベースに、様々な植物の天然成分を配合した染料で染めた環境配慮型の素材。天然色素では難しかった合繊の染色を可能にしたもので「技術がすごい」と選んだ。ナイロン100%にタスラン加工しており、天然素材のような風合いがある。一般的なトレンチコートに使われているギャバジンより軽く、気負わない雰囲気を演出できる。
愛着を持って長く着られるようにディテールにもこだわっている。襟はオープンカラーとスタンドカラーの両方が楽しめる仕様。袖にもボタンを二つ付け、腕まくりをして留めればこなれた印象になるようにした。玉ネギの皮の成分にそれぞれ異なる天然由来の色素を加えたブルー、ベージュ、オリーブの3色。23年春夏のキーカラーのブルーは、ログウッドを染料に配合。奥深く優しい色が着やすそうだ。
現在は商品の約4割が日本製の生地。これを年内に6割まで増やす。2カ月に一度の新作発売を予定している。企画の際はなるべく起用する素材の産地に足を運び、感じたことを反映しながら価値のある一着を届ける。