三越伊勢丹 五泉ニットと協業し自主開発商品

2017/04/03 06:25 更新


 三越伊勢丹は今春夏から、新潟・五泉のニット産地と協業した自主開発品の販売を本格化する。これまでの百貨店にない質感、デザイン、価格でバランスのとれた独自商品を通じて新たな価値を創造する。製造業者に直接発注する仕入れ構造改革の一環で、製造から販売までの一層の時間短縮とコスト削減を狙う。

 五泉産地との協業は婦人服の自社ブランド「メゾン・ド・ウーマン」でスタートする。メゾン・ド・ウーマンでは昨年、顧客の聞き取りを実施、50歳前後の女性の関心事が多様化し、「クルーズなどの装いで洗練されたインフォーマルなスタイルを楽しむ」(池田和史バイヤー)という顧客像が浮かび上がった。

 これまでのエレガントな大人服は布帛がほとんどだが「女性を優しく包み込むリアルと快適性が欠かせない」(ディレクションを務める川崎瑶子さん)と、きちんと感のある新定番のニットに着目した。

 五泉と組んだのは国内最大級のニット産地とともに、新定番の製品化に必要なあらゆる関連協力企業群があることが決め手となった。編み立て、整理・加工など産地で一貫化できるインフラ、機能を活用した。編み立て技術をはじめ、細かな編み目をつなぐリンキング、ニットと異素材の組み合わせなどの技術を活用し、ドレープ性あるシルエット、軽くソフトな着心地を実現した。

 百貨店の自社ブランドはNBに比べて生産ロットが小さい。今回のプロジェクトでは与信などで五泉ニット工業協同組合が窓口となる協業スキームを構築し、コストを引き下げて素材など製造原価率を高めることで、商品の価値向上に結び付ける。

 メゾン・ド・ウーマンは新宿、日本橋、銀座の基幹3店と仙台三越、静岡伊勢丹に常設売り場を開設している。期間限定店は三越日本橋本店を皮切りに、4月5~11日に伊勢丹新宿本店、4月11~25日に新潟伊勢丹、5月15~23日に岩田屋本店、5月24日~6月6日にイセタン羽田ストアに開設する。

三越日本橋本店での期間限定店「メゾン・ド・ウーマン」



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