《異業種に学ぶ》みんな電力 「顔の見える電力」で再エネ化

2020/03/16 06:29 更新


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 サステイナビリティー(持続可能性)やESG(環境・社会・ガバナンス)などの取り組みが世界的に重要視される中、新電力ベンチャー企業のみんな電力(東京、大石英司代表)は、地域の発電所と企業や家庭をつなぐ「顔の見える電力」を提供し、電力の新しい価値を生み出している。

(海藤新大)

 16年4月に全面的に電力自由化が始まったことで、様々な企業が電力小売り事業に乗り出した。中でも同社は、供給する電力に占める再生可能エネルギーの比率が約8割と「業界トップクラス」だという。将来的には100%再生可能エネルギーでの供給を目指している。水力や風力などの大きな発電所はもちろん、地方で農業をする傍ら太陽光発電をしているような、小さな発電所などとも多数契約することで、再生可能エネルギーの高い比率を実現している。

◆思いまで一覧で

 同社がユニークなのは、発電所を可視化した点だ。地域の発電所の場所や名前、写真、働く人たちの思いなどを公式サイトに一覧で掲載し、どんな発電所の電力を使っているのかを見えるようにした。

 個人向けサービスでは、地域の発電所の中から応援したい発電所を選ぶことで、電気料金の一部がその発電所に応援金として支払われるほか、ふるさと納税の返礼品のように特典がもらえる仕組みを作った。応援している発電所を実際に見ることができるツアーなども開いている。「電気を使うだけで発電所の応援にもなり、再生可能エネルギーの発展を支えることにもつながる」という持続可能な仕組みだ。

地方の発電所の見学ツアーなども定期的に開いている

◆店で電力を販売

 法人向けサービスではブロックチェーンの技術を使い、どの発電所からどのくらいの電力を使ったかをデータ化、30分ごとに確認できるトレーサブル(追跡可能)なシステムを提供している。目に見えない電力だが、この仕組みによって再生エネルギーをきちんと使っているという証明もできる。

ビームスジャパンと協業し、店頭で電力の販売イベントも実施した

 企業との取り組み実績は年々増えている。丸井グループは、新宿マルイ本館で使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替え、今後さらに他店舗に広げる予定という。ほかにパタゴニアやユナイテッドアローズ、三陽商会などとも取り組み、アパレル業界でも、みんな電力の利用が広がっている。昨年8月にはビームスジャパンと協業し、期間限定で店頭で電力を販売するイベントを行った。

店頭で電力を販売するというユニークな取り組み

 「毎日使っている電力からエコを考えることも、サステイナブルへの大きな一歩ではないか」と同社。アパレル業界の店舗やオフィス、工場などで使う電力は膨大だ。使用するエネルギーを見直すことは、重要な選択だ。

(繊研新聞本紙20年2月5日付)


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