4月17～23日までイタリアのミラノで開催された「ミラノ・デザインウィーク」は、コロナ禍以前のにぎわいを取り戻した。中核イベントの「第61回ミラノサローネ国際家具見本市」は、4年ぶりに通常会期の4月に開催された。38カ国からの2000以上の展示が行われ、6日間の会期中に約31万人が来場した。「フオリサローネ」と総称される、市内各地で行われる展示やイベントも1000以上を数えた。人気の展示には3時間待ちの行列ができるなど、ミラノの街は久しぶりのデザインウィークを楽しむ人々でにぎわった。ライフスタイル提案が進むファッションブランドも、それぞれが新作を発表した。
（ミラノ＝高橋恵通信員）
「エトロ」は、昨年6月にクリエイティブ・ディレクターに就任したマルコ・デ・ヴィンチェンツォが手掛ける、初のインテリアとホームのコレクションを発表した。エトロインテリアズコレクション、エトロホームコレクションの2コレクション。家具はソファやコーヒーテーブルなどリビング家具からスタートし、今後ベッドなど他アイテムへ拡充する。
家具の張り地はアーカイブからプリント3柄を選んでジャカード織にし、ブルー、グリーン、ブラウン、マスタードなどが入り交じる同ブランドらしい色を載せた。従来はクラシックなフォルムで展開していたが、今回からは、丸みを帯びた70年代風のアームチェアや、トレーを用いたコーヒーテーブルなど、ビンテージムードを漂わせながらも、モダンなデザインに変化している。また、ニューヨークのアーティスト、エイミー・リンカーンと協業した詩的なモチーフのブランケットもインスタレーション形式で発表した。
「ヴェルサーチェ・ホーム」は、リラックスを意識した新作を見せた。形や素材の自由自在な組み合わせが可能なモジュール式ソファ「ゼンセーショナル」は「禅」からネーミングした。毎回ファッションとのリンクを見せる同ブランド。今回は23年秋冬プレタコレクションにも登場したクロコダイルの型押しレザーをバロック風のプリントやジャカードと組み合わせている。背もたれクッション部分の快適さを追求したソファ「ディスカバリー」は、モダンなヘリンボーンモチーフで、「ヴェルサーチェ」の「V」をさりげなく表現している。
