オールウェイズのオーダーブランド「ミカコ・ナカムラ」の20年春夏は、自然豊かな土地の植物を思わせるきれいなパープルとミントグリーンが主役だ。パープルはランの一種であるバンダの色という。デザイナーの中村三加子が「心のオアシス」に向かって作ったコレクションだ。
南国への旅を思い描いているのか、色の表情は切り花でなく繁茂する植物のようなイメージ。リラックスしたムードもあり、ドリアンを描いたドレス、フルレングスのカフタンやチュニックが目を引く。定番の重厚な〝ミカドシルク〟のコートやドレスは、逆に外側から見た和の色にも見える。シースドレスに同じ丈のマントを羽織った形のドレス、人気のノーカラーコート「ルナ」も新鮮に映る。
ビジネスは好調だ。今年6月に銀座の和光で開いたアーカイブの展覧会や雑誌で紹介された効果もあり、特に東京・青山サロンはこの9月の売上高が前年比40%増だった。新規の客が増え、東京のほか大阪、名古屋の百貨店でのオーダー会も好調。全体では前年比15%ほど伸びている。「長く着られる」服への共感が広がっているのでは、とみている。