8月初旬、定点観測で取材するセレクトショップに夏セールについて聞いた。7月初旬スタートの路面店は、近隣店の多くが中旬開始だった。そのため、他の店のセールが始まるまで自店の来店客数が増えず、売り上げも振るわなかったという。
逆に中旬スタートの店は、7月上旬まで気温が上がらず夏物の売れ行きが鈍かったことが裏目に出た。「猛暑が到来して実需が活性化したタイミングで値引き販売を始めた格好になった」からだ。
別の店ではセール中に、開襟シャツやサンダルなどの在庫を例年より早くECに回した。消化促進のためだ。ところがインバウンドが増えた今年は、店頭から引き上げた夏物を探す客が多く、機会ロスが生じた。
初旬スタートの路面店は、他店と足並みを合わせたほうが集客につながったはずと分析し、中旬スタートの店は、これから売れるという時期の値引き販売がもったいなかったと振り返る。夏物在庫を早々に引き上げた店は「店頭に残しておけばもっと売れた」と残念がる。
セール開始時期や在庫移動のタイミングを過去の天気や販売実績だけで決めても、予期せぬ変化には対応しきれない。すべてを反映することは難しいだろうが、店ごとに異なる「もっとこうしていれば」の声を生かせば、来年のセールに向けてより良い準備ができるかもしれない。
