企業が社会や環境に与えた影響を示す「インパクトレポート」というと、温室効果ガスの排出をどれだけ削減したかなど、成果を紹介するものが多い。その中でパタゴニアが発表したものは、到達とともに課題を明記しており興味深い。
例えば「サプライチェーンの脱炭素化」について。生地の染色や乾燥などの工程に不可欠な蒸気と熱は、多くが化石燃料を燃やして生み出しており、同社では化石燃料に頼らないやり方を研究してきた。その結果「化石燃料の代わりに産業用ヒートポンプを導入すれば、大幅なエネルギー使用の削減とCO2(二酸化炭素)の排出削減、コストの低減につながることが明らかになった」という。そして、脱炭素化に向けて「今すでに地味な解決策はある。ただ費用がかかる」と強調した。
当然サプライヤーはコストがかかるうえ、今後の保証もないため、こうした解決策への移行には慎重だ。しかし、ブランドが大規模な脱炭素化プロジェクトへの投資を支援さえすれば、サプライヤー側の排出削減に伴うリスクは軽減される。つまり脱炭素化には「ブランドの支援が重要」と主張する。
このように、パタゴニアの「レポート」はメッセージ性が強い。これに対して様々な意見、反応はあるだろうが、いずれにせよ業界内で議論が活発になるのは良いことではないだろうか。ぜひ一読をお勧めしたい。
