《めてみみ》ユニクロ指数

2025/12/23 06:24 更新NEW!


 ユニクロのメンズのメリノウール製クルーネックセーターは普段税込み3990円だが、12月18日までは期間限定で2990円だった。同じ商品がアメリカでは49.9ドルする。12月18日の為替レート1ドル=155.84円で計算すると、アメリカの価格は日本の通常価格の2倍、期間限定価格の2.6倍だ。

 内外価格差の理由は円安だ。年初1ドル=150円台後半だった為替レートは、4月に140円台まで戻したが、高市早苗首相就任後の10月以降、150円台半ばに逆戻りした。19年の平均レート108円と比べ、4割強の円安だ。

 コロナ前はメリノウールセーターの日米価格差は1.35倍程度に収まっていた。しかし、コロナ禍の最中に円安が進み、日米の価格差に極端な開きが出たわけだ。

 ちなみに25年8月期のユニクロの北米市場での売上収益は円ベースでは2711億円で前期比24.5%増。円安効果の上乗せを差し引いても、価格が日本の2倍もするユニクロの服を買う客がアメリカでは前年より増えていることになる。

 アメリカで8000円のセーターが日本では2990円。各国の購買力平価を割り出すのにマクドナルドの「ビッグマック」の価格を使うビッグマック指数というのがあるが、ユニクロの価格を比べれば、国ごとにどのくらい服にお金をかける余裕があるのかを測れるかもしれない。



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