《めてみみ》台湾の日系セレクト

2024/06/12 06:24 更新


 5月末、台湾・林口にある三井アウトレットパークを訪れた。開業から8年余り、コロナ禍からの回復や、周辺にマンションが一気に増えたこともあって業績は好調だ。既存施設とMRT林口駅の間で、第2期分の増床も間もなく完工、駅からのアクセスが改善し、さらなる集客が見込まれている。

 魅力の一つが日本ブランドの拡充と聞く。日系セレクトショップが並ぶフロアのベンチに座って観察してみた。1時間でA店は60人、B店は50人が入店。A店は幅広い年齢層が来店し、B店はファッションセンスの良い若い年代が多く、うまくすみ分けできている感じがした。

 国際的な政治環境の変化もあり、台湾と日本の関係は「歴史の中で今が一番良い状態」と日本人、台湾人の大半が口にする。相互の人の往来はさらに増えていく。台湾人のインバウンド需要の取り込みに、さらに力が入っていくだろうし、日系企業の台湾での販売も加速していく。

 日本のブランドだからという理由で売れるような時代はとうの昔に過ぎたが、きめ細かい品揃えや店作り、適度な距離感のある気持ち良い接客、世界的に見れば過度かもしれないが、品質への徹底したこだわりなどは、ある程度日本企業が自信を持って良い部分。他店とも協調し、知恵を結集しながら、台湾で日本の魅力をさらにアピールしてもらいたいものだ。



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