中国大手ECプラットフォームのアリババ、京東でトップ交代と分社化、組織改革の発表があった。アリババは2回目のトップ交代を9月に行い、分社化も実施するという。京東は物流会社代表が変更となる。
両社が中国市場ECを引っ張っていることに変わりはない。ただ、この2、3年は団体購入型の拼多多、ライブコマース型の抖音(ティックトック)に勢いや客獲得とも押され気味。加えて、両社がECの大型販促「618商戦」の流通額を発表しなくなったこともあり、憶測を呼ぶところとなっている。
しかし、改革の狙いは「伸びの鈍化や責任などが理由ではなく、決定スピードを高めるため」と中国のEC関係者は言う。今年の618商戦も各ECの流通額は伸びており、伸び代が十分にあることが分かっている。一方、その伸び代を確保するには、物流やAI(人工知能)実装、エンターテインメントコンテンツに関する経営判断スピードを上げることが必要と見ているようだ。
特に、AIは「チャットGPT」への関心が高まり、話題の中心だったメタバース(インターネット上の仮想空間)から一気に取って代わった。中国は新しい概念への食いつき度は異常に高く、「やる」となった場合の開発スピードはとてつもなく速い。「AI×EC」が急速に進むかもしれない。