6月最終週辺りから上海は非常に蒸し暑い日が増えた。新型コロナウイルス感染の再拡大が気がかりと言われるが、マスクを着用する人は1割程度で、かなり減った。こんな気候では脱水症や熱中症になりかねない危うさで、早くすがすがしい好天が到来してほしいと願うばかりだ。
23年度上期が終わった中国は、推測されていた通り「コロナ3年のダメージは上期6カ月では全く取り切れなかった」と言える。1月末から2月初旬の春節(中国の旧正月)前後は経済や消費が上向き期待が高まったが、3月以降は再び低調。上海も街の人出やにぎやかさとは裏腹に、昨年夏より低調に映る。
実際に上海の飲食店が集まる場所に外食に行っても、良店にもかかわらず混んでいない。詳しい人いわく「どの店も22年比で売り上げ10%減」。環境が悪い今は、出費を厳選して穏便に過ごそうとしている傾向がくっきり出ている。
アパレル小売りも多くが苦戦する。打開策の一つとしては新規販路を増やすことになるが、景気が上向く気配がないと投資はかけづらい。今はまだ「24年以降を見据えて健全な身体を取り戻す段階」との声が多い。
中国は先月、金利引き下げの景気刺激策を打ったが、効果が表れるのは少し先だろう。下期も好機到来で動ける体力作り、計画と準備期間になりそうだ。