《めてみみ》危機管理

2022/05/11 06:24 更新


 上海で都市封鎖が始まったのが3月28日。上海住民の自宅での隔離生活はとうとう1カ月を超えた。4月下旬になって、感染者はピークだった2万人から3000人台へと減ってきたので、そろそろ出口が見えたかと期待の声が上がっていた。しかし、つい先日の5月7日に48時間の「静黙」状態が求められた。

 静黙というのは多くの上海人に初耳の言葉だ。意味としては、団体購入・出前禁止、外出不可で、静かなる沈黙を少なくても48時間続けようとのことらしい。上海市としては感染者の減少ペースをさらに加速させたい意図のようだが、「上海の都市封鎖以来で最も厳しい措置」といわれる。

 この特別措置で隔離解除がいち早く訪れてほしいところではあるが、吉林省長春市では3月11日から約50日都市封鎖が続き、4月末にようやく徐々に解除していく段階となっているので、「上海が2カ月封鎖される可能性はある」との見方をする人も多い。

 しかし、これほど都市封鎖が続くと、事業が回らないのは当然だ。今すぐ上海から脱出したいという要望が高まるのもよく分かる。今は空港までの車の調達、航空券ともに価格が上昇しているので、手配も大変になってきた。そんな中で、隔離の初期段階で上海を離れる判断を瞬時にした人がいるとも聞く。危機管理能力や予測力が重要になっている。



この記事に関連する記事