《めてみみ》渋谷パルコからのヒント

2019/12/26 06:24 更新


 衣料品の売り上げが10月以降、一段と落ち込んでいる。例年よりも気温が高く、防寒物の売れ行きが特に厳しい。

 しかし、それでも売り上げを伸ばすブランド・ショップ、衣料品が館全体の売り上げを押し上げている商業施設はある。11月22日に開業した新しい渋谷パルコが代表例の一つだ。

 全館のテナント売上高は「年間売上高目標を上回るペース」(牧山浩三社長)。衣料品は海外ラグジュアリーや東京デザイナー、日本のセレクトショップ、原宿系ロリータなど幅広く揃え、その大半は同館向けに独自のMDを組んだり、新しい店を作った。「収益を度外視して、自分たちがやりたいことにチャレンジしている店の反応が特に良い。逆に、通常のMDで世界観が出せていない店への反応は鈍い」という。

 同館の衣料品の客層は「新しいことに敏感に反応する」高感度なファッション好きが大半。他の多くの商業施設とは客層が異なり、同館での成功事例が他施設でも通用するとは言い難い。しかし、館と店舗が連携し、来街者や想定顧客の特性に合わせ、新しく独自性のある提案をし、需要を喚起した点は客層が違ってもヒントになる。

 「ファッションは捨てたもんじゃない。(新しい提案を)しゃにむにやってきて良かった」と牧山社長。この言葉を来年の業界活性化に向けた教訓としたい。


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