お盆に帰省し、めいの6カ月の赤ちゃんに初めて会った。姪孫(てっそん)とも呼ぶらしい。あどけない笑顔はただほほましく、すがすがしいような感情が込みあげ、なにも考えられない楽しい雰囲気になった。
取り巻く環境は物価高などから沈みがちで意欲低下も感じがちだ。ファッションは赤ちゃんとは違うが、気持ちや感情を高揚させる力があると思う。
今、より実需ニーズが高まっており、アパレルも提案を強めている。日本の四季が崩れ、極端にいえば同じような商品が長く店頭に並ぶ。鮮度を保つために夏でも違ったアプローチや企画を打ち出す動きも見られるが、わくわく感が湧くようには感じられない。
日本の四季は、それぞれのシーズンで装いが変わり、気持ちの変化にもつながる。中軽衣料が増える冬物で、あえてコート企画をしっかり打ち出すブランドもある。消費者が求めるものに対応することは重要だが、気持ちを高揚させる提案力を忘れてはいけない。
実需対応の一方で、「買わなければ」「着るのが楽しみ」と思わせるプロダクトアウトで、市場の活性化や消費意欲の向上を改めて考えてほしい。
(伸)