定店観測で訪れた、あるセレクトショップによれば「先月末から今月にかけて、サイズの大きい服が例年以上に売れている」そうだ。買っているのはインバウンド(訪日外国人)。
原宿の路面の同店は、もともと訪日客による買い上げ比率が高い。中国などアジアだけでなく、欧米の観光客も多いので、普段からSC内のテナント店より、大きめのサイズの在庫を豊富にはしていた。だが、今年に限っては通常の在庫量では足りない。
理由は明白で、ラグビーのワールドカップが開催中だからだ。発表によると、9月の訪日外国人客数は前年同月比5.2%増の227万3000人で前年同月より11万人多い。
大会に出場する欧米や南半球からの来日客は試合観戦以外に当然観光も買い物もする。「欧米のお客様はそもそも体格が大きいが、ラグビーW杯を見に来た訪日客の男性陣はかなりの確率で自身もラグビー経験者」。服のサイズもXLでは小さく、XXLを所望する客もいる。
この店は、W杯で訪日客が例年より増えるところまでは予測していたが、これほど大きいサイズの需要があるとは想定しておらず、せっかくの特需をうまく取り込めなさそうだ。来年は五輪。もっと様々なスポーツファンが訪れる。サイズもデザインもファッションを売る会社は今から準備をしておいた方が良い。