《めてみみ》コレクション勢力図

2019/05/31 06:24 更新


 6月に入ると、20年春夏メンズコレクションが始まる。今年はニューヨークが前倒しされ、ロンドン、ミラノ、パリへとスケジュールが続く。これまでパリのオートクチュール後の7月に見せていたニューヨークのメンズが、一部のレディスブランドとともに6月初旬へと日程を変えた。時期を早めて、バイヤーのバジェットを確保する狙いが見える。

 イレギュラーなのは「プラダ」が上海でメンズコレクションを見せること。中国市場を意識しての開催地変更と思われる。その思惑はさておき、ミラノ・メンズのシュリンクは続いている。「グッチ」や「ボッテガ・ヴェネタ」はメンズをレディスと同時期に見せるようになった。今回は「ヌメロ・ヴェントゥーノ」もレディス時期にメンズを見せると発表した。経費を考えれば、年4回のショーよりも2回の方が効率は良い。

 さらに今回は、「MSGM」がフィレンツェのピッティ・イマージネ・ウオモ期間中のショー開催を決めた。こうなるとミラノ・メンズはわずかに残ったビッグブランドと協会が支援する若手ブランドばかり。ミラノ離れとメンズ離れがダブルで主催者を悩ませる。

 拡大を続けるのはパリばかりで、ロンドンは若手に依存し続けている。かつて世界の4大コレクションと呼ばれた勢力図が大きく変わろうとしている。



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