19年春夏レディスコレクションがニューヨークを皮切りにスタートした。この後、ロンドン、ミラノ、パリとコレクションサーキットは回っていく。
今回の見どころを挙げると、ニューヨークは実力派ブランドの復帰が焦点だ。「プロエンザ・スクーラー」と「ロダルテ」がパリのクチュール時期のコレクション発表をやめて、ニューヨークに返り咲いた。ロンドンは、リカルド・ティッシによる新生「バーバリー」がファーストコレクションを見せる。パリでは、「セリーヌ」がエディ・スリマンによる初のコレクションを発表する。
数年前に鳴り物入りで始まった「シーナウ・バイナウ」の発表形式はほとんど無くなった。代表格だったバーバリーも今回はシーナウ・バイナウではない。デジタルの発達によりエンドユーザーがオンタイムでコレクションを見る時代になったが、「見てすぐ買える」売り方は主流にならなかった。
デザイナーの交代劇に目が行きがちだが、若手デザイナーのエモーションが詰まったコレクションにも期待したい。ロンドンの注目の若手「リチャード・クイン」やパリの「マリーン・セル」も注目だ。ビジネス優先でトレンドをなぞったようなショーが増えると、若手の自由なクリエイションが新鮮に映る。新たな才能の登場は、いつの時代も待ち望まれている。