服や髪型、メイクだけではなく、体形にも流行がある。長年通うジムに週末行くと、それをひしひしと感じる。真剣に身体を鍛える人の比率が高い、わりあいに敷居の高いジムなのだが、最近、若い人や女性のメンバーがぐっと増えた。
少し前まではスポーツや格闘技のために必要な筋力を養うとか、筋肉を極限まで肥大させてボディービルディング大会に出るとか、マニアックなモチベーションの人が多かった。最近目立つのはボディーメイクと言って、「なりたい身体」を作るために鍛える人たちだ。
20代とおぼしき男性諸氏は、胸や肩を程良く大きくして腹筋を六つに割るのが、ひとまずのゴール。既製服が入らなくなるくらいにごつくするのではなく、服を着て格好良く見える程度に抑えるのが流行だ。
一方、女性は、バーベルを担いでしゃがむスクワットという運動を一生懸命やっている。足が太くなるからと敬遠されていた種目だったのだが、ヒップアップに効果があると言われるようになったせいで、率先してやる人が増えた。
インスタグラムなどSNSに上げる自分の姿や見栄えを気にかけるのが当たり前になり、何を着るかに加えて、服を着こなす身体のラインも整えたいニーズが高まったということらしい。週末のジムが以前より混む背景にはコミュニケーションの変化がある。